太陽光発電の増設を検討しているけど、「本当に増設するべきなのか」「増設して後悔しないか」などと不安に思う人も多いのではないでしょうか? 太陽光発電設備の値段は決して安いものではないので、よく考えずに増設してしまうと損をする可能性が高いです。
本記事では、太陽光発電を増設するメリットやデメリットや、増設するべきかを判断するポイント、さらにお得に増設する方法の解説と、増設についての気になる疑問に回答します。また、久しぶりにパネルを購入する人のために、2021年現在の太陽光発電設備の価格の目安も紹介しているので、太陽光発電を増設する際の判断材料としてお役立てください。
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太陽光発電の増設にはどんなメリットがあるのでしょうか。増設により得られるメリットは、次の通りです。
- ランニングコストを大きく変えずに売電収入アップ
- パワーコンディショナーの性能をフルに活用可能
- 土地を無駄にしない
それぞれのメリットを詳しく確認していきましょう。
ランニングコストを大きく変えずに売電収入アップ
太陽光発電を増設しても、ランニングコストが大きく変動することはありません。なぜなら、日々のメンテナンスや管理にかかるコストに、ほとんど影響がないためです。もちろん、ソーラーパネルを増やすことにより、発電量は以前よりも増加することが期待できます。
太陽光発電設備の合計容量が10kW以下であれば、増設した分の電力も今までの売電価格で買い取ってもらえます。月々の維持管理費が変わらないまま、売電収入を増やすことができるのはお得だと言えます。
パワーコンディショナーの性能をフルに活用可能
ソーラーパネルの増設により多くの電力を発電できるようになります。しかし、パワーコンディショナーの発電能力を超えてしまうことが原因で、一時的に売電ができなくなるピークカットという状態に陥ることがあります。残念ながら、パワーコンディショナーの能力以上に発電してしまった電力は、自家消費することも、売電することもできません。
ただ言い換えれば、パネルを増設するとパワーコンディショナーの限界まで電気を作れるようになる、とも言えます。パワーコンディショナーの性能をフル活用できれば、ピークカット時のロス分を差し引いても、雨や曇りの日でも効率よく発電することが可能です。
土地を無駄にしない
土地は所有しているだけで毎年固定資産税がかかります。ソーラーパネルを設置できる土地が余っているなら、増設して売電収入を得ることで土地を無駄なく活用することができます。
パネルを増設できるところは土地や屋根だけではありません。カーポートにもパネルを載せることができます。カーポートに設置するパネルは、屋根に設置するパネルよりも発電力が高く、メンテナンスも簡単で、電気自動車にそのまま充電することもできます。余ったスペースを活かしてエコな生活を手に入れましょう。
太陽光発電を増設するデメリットとは

太陽光発電の増設には以下のようなデメリットもあります。
- 発電量によって売電価格の変更がある
- メーカー違いの太陽光パネル設置で保証の対象外
- 設置場所によって影ができやすい
増設を検討するときは、デメリットについてもしっかり把握しておきましょう。
発電量によって売電価格の変更がある
もともと10kW以下のソーラーパネルを設置していた場合、増設により容量が10kWを超えてしまうと売電価格が下落してしまいます。容量10kW以上になると買取期間が10年から20年に延長されますが、売電価格の下落幅が大きいと結果的には損をすることになります。
2011年に10kW以下のパネルを導入した人は1kWhあたり42円で買い取ってもらえましたが、2021年に導入した人の売電単価は1kWhあたり19円です。しかも売電単価は年々安くなっています。増設により発電量が増えても、売電単価が安くなれば、売電収入も減り、増設にかかった投資額が回収できなくなるかもしれません。
メーカー違いの太陽光パネル設置で保証の対象外
現在使用しているソーラーパネルとは違うメーカーのパネルを増設してしまった場合は、保証期間が残っていても、メーカー保証の対象から外れてしまいます。また、既存のパワーコンディショナーと組み合わせて使えないこともあります。異なるメーカーのパネルを取り付ける場合は事前の動作確認をしっかりしておくことが必要です。
また、同じメーカーのパネルを増設する場合でも、中古を選ぶと不具合が起こる可能性があります。誰に責任があるのかで揉める可能性があるので、メーカーと設置業者のどちらが責任を持つのかをはっきりさせておきましょう。
太陽光パネルのおすすめメーカーについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

設置場所によって影ができやすい
ソーラーパネルは太陽の光が当たりやすい場所に設置されるため、既存のパネルが、増設したパネルの陰になってしまう場合があります。そうなると思ったような発電量を得ることができなくなる可能性が出てきます。設置する場所はよく検討するべきです。
特にカーポートは、もともと家よりも低い位置にあるため、方角によっては増設すると影ができやすくなります。カーポートの大きさによっては、パネルが設置できないこともあるので、日当たりや大きさを事前にチェックしておくことが大切です。
太陽光発電の増設を判断するポイント

太陽光発電の増設で後悔しないためには、次のようなポイントを確認することが大切です。
- 買取価格や買取期間は変わるのか
- 売電で増設費用を回収できるか
- 既存の太陽光発電設備の寿命がいつまでか
判断のポイントを詳しく確認していきましょう。
買取価格や買取期間は変わるのか
太陽光発電を導入した時期が早ければ早いほど、買取価格は高くなります。太陽光発電を増設する場合は、容量によって買取価格や期間が変動してしまう可能性があります。
増設により買取価格や買取期間が変わるのは、以下のようなケースです。
- 10kW未満だった容量が10kW以上になる場合
- 10kW以上だった容量が0.1kWでも増える場合
増設により買取期間が増えても、買取価格が半額になってしまうと、トータルの売電収入が減ってしまいます。増設後も容量が10kW未満なら、今までの買取価格や買取期間を継続することが可能です。増設によって買取価格が下がらないように、既設の太陽光発電の容量を確認しておきましょう。
買取価格制度については、以下の記事もあわせてお読みください。


売電で増設費用を回収できるか
太陽光発電を増設するときは、それによって売電収入がどのくらい増え、増設費用が回収できるかをシミュレーションしておくことが大切です。太陽光発電を増設しても元がとれなかったら、費用をかけた意味がありません。
太陽光発電設備の導入費用の下落とともに、売電価格も年々減少しており、買取価格や期間の変更によっては設置費用を回収できない可能性もあります。増設によって削減できた電気代や売電収入の金額を計算し、採算が取れるか取れないかで増設の可否を判断しましょう。
既存の太陽光発電設備の寿命がいつまでか
適切なメンテナンスを行っていれば、太陽光発電設備は20~30年使い続けることができると言われています。既存の設備の寿命が10年以上残っているならそこまで心配はありませんが、寿命を迎える寸前で増設してしまうと、すぐに故障して修理や買い替え費用の負担がかさむ可能性が高いです。
増設を検討する前に、まずは現在使用している太陽光発電設備の耐用年数を確認してください。既存の設備がまだまだ使い続けることができるタイミングで太陽光設備を増設すれば、長く安心して使い続けることができます。
お得に太陽光発電を増設する方法

太陽光発電を増設するなら少しでも安く導入したい人が多いと思います。太陽光発電をお得に増設する方法は、次の通りです。
- 最適な増設設備を業者へ相談
- 最寄りの自治体で補助金がないか探す
- 中古の太陽光パネルを検討
増設の方法をひとつずつ詳しく確認していきましょう。
最適な増設設備を業者へ相談
どのような設備を増設するのが最適なのか、素人が判断するのは難しいため、太陽光発電の設置業者に相談することをおすすめします。容量によって買取価格や買取期間が変わってしまうため、太陽光発電を増設する際には、太陽光発電の買取制度のことをよく理解しているプロのサポートが必須です。
業者の選び方ですが、基本的には以前太陽光発電の設置を依頼した業者を選びましょう。違う業者に依頼すると、既存の太陽光設備が保証対象外になってしまったり、既存と増設の設備の相性が悪くて、思ったような発電ができなくなる可能性があります。
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最寄りの自治体で補助金がないか探す
太陽光発電の単独購入に対する国からの補助金は終了してしまいましたが、都道府県や市区町村によっては、独自の補助金・助成金制度を設けているところがあります。既設の太陽光発電を設置する際に補助金を貰っている場合でも、増設分の補助金が再度受け取れる場合もあるので各自治体に確認してみてください。
例えば、福島県会津若松市では、住宅用太陽光発電システムの設置で補助金を交付しています。1kWあたり2万円、上限8万円の補助金を出しているので、前回補助金を貰っている人でも、上限に達していなければ再び申請することが可能です。補助金は予算に達してしまうともらえなくなってしまうので、なるべく早めに申請しましょう。
太陽光発電の補助金・助成金については、以下の記事も参考にしてください。

中古の太陽光パネルを検討
新品ではなく中古のソーラーパネルを選べば、設置費用をかなり安く抑えることができます。中古でも基本的には問題なく使用することが可能ですが、メーカー保証を受けることはできません。
その代わり、設置業者の保証を受けることができるので、性能保証や修理保証がある業者から購入してください。中には使用済み中古のパネルを回収し、独自の技術により再生・販売しているメーカーもあります。増設費用を抑えたいなら、環境にも財布にも優しい中古のパネルの購入がおすすめです。
【2024年】増設のための太陽光発電設備の価格

太陽光発電設備の増設には実際どのくらいの費用がかかるのでしょうか。久しぶりに太陽光発電を購入するという人のために、2024年最新の太陽光発電設備の費用相場を紹介します。
太陽光パネルの1kWあたりの相場
製造技術の進歩や低価格で高性能なシリコンの開発により、ソーラーパネルの価格は年々下落しています。パネル1kWあたりの年代ごとの価格推移を下記の表にまとめたのでご確認ください。
年代 | 価格(1kWあたり) |
---|---|
1993年 | 370万円 |
1994年 | 200万円 |
2006年 | 66万円 |
2016年 | 36万円 |
2021年 | 25万円 |
2022年 | 27.5万円 |
2023年 | 25.5万円 |
1993年には1kWあたり370万円と新車が買えるくらい高額だったパネルの価格は、2021年には10分の1以下の25万円まで安くなっています。メーカーによっても異なるので、1kWあたりの価格で比較するとわかりやすいです。
パワーコンディショナーの相場
ソーラーパネルで発電した電力を家庭で使うために必要なのがパワーコンディショナーです。2024年現在の価格相場は1kWあたり5万円程度となっています。ソーラーパネルと比較するとそこまで高くありませんが、故障しやすいためメンテナンス費用の負担が必要な場合があります。
電子基板の交換や修理で直る場合は3万円くらいですが、メーカーや故障個所によっては8万円程度の負担が必要です。買い替えが必要になった場合は20~30万円かかるので、故障が発生しないように定期的にメンテナンスすることをおすすめします。
蓄電池の相場
家庭で消費しきれなかった電力を貯めて繰り返し使用できるのが蓄電池です。太陽光発電システムと蓄電池を併用することで、電気料金をさらに節約することができます。
蓄電池の導入費用の相場は、本体価格と設置費用を合わせて80~160万円くらいです。選ぶメーカーや業者によって価格が変動します。
最近では、太陽光発電と蓄電池のパワーコンディショナーがひとつになったハイブリットモデルが登場しています。それぞれのパワーコンディショナーを用意せずに済むので、太陽光発電を導入するときに蓄電池も一緒に設置すれば費用を抑えることが可能です。
蓄電池の後付けについては、以下の記事もぜひご覧ください。

【Q&A】太陽光発電の増設についての気になる疑問

最後に太陽光発電の増設に関して、よくある次のような疑問をQ&A形式で解説していきます。
- 太陽光発電の増設はDIYで可能?
- 太陽光発電の廃棄にかかる費用はいくら?
- 太陽光発電の増設で罰則はある?
疑問を解消してから太陽光発電の増設を行いましょう。
太陽光発電の増設はDIYで可能?
電力会社の電線と接続しない自家発電の太陽光発電設備の場合は、ある程度の専門知識があれば、自作することは可能です。電圧30V以下で100Wのソーラーパネル1枚くらいなら発火の危険性もありません。材料選びが難しいと感じる人のためにスターターキットも販売されています。
電力会社の電線と接続する本格的な太陽光発電設備は、電気工事士の資格を持つ人しか取り付けを行うことはできません。資格を持たない素人が屋根に上って太陽光発電設備を取り付けるのは非常に危険です。事故を防ぐため取り付けは専門家に依頼しましょう。
太陽光発電の廃棄にかかる費用はいくら?
既設の太陽光発電設備が寿命を迎えてしまった場合は廃棄が必要ですが、自治体が無料回収してくれる一般ゴミではなく、産業廃棄物として有料で業者と契約して処理しなければなりません。取り外しを業者に依頼した場合は、通常廃棄処分の費用も契約金に含まれます。
金額はサイズにもよりますが、ソーラーパネル1枚あたり5,000円前後です。作業の難易度によって作業員が増えるので、取り外しや屋根復旧の工賃も含め、費用が高くなる可能性があります。
ただし、パネル以外の支柱や架台はリサイクル資源で、ケーブルには銅が含まれているため処理業者に買い取ってもらえる場合があります。パワーコンディショナーは粗大ゴミとして処分できることもあるので、自治体の廃棄物担当に確認してください。
太陽光発電の増設で罰則はある?
FIT認定後にソーラーパネルを増やした場合は、罰則が適用される可能性があります。その条件は、2017年以降のFIT認定後に新規認定を受けることなくパネルを3%もしくは3kW以上増設したときです。
この条件に該当する場合は、最新の買取価格が適用され、売電単価が下がります。罰則を回避するために軽微変更届出を忘れずに申請しましょう。
まとめ

本記事では、太陽光発電の増設について解説してきました。太陽光発電の増設にはさまざまなメリットやデメリットがあります。特に売電価格変更の有無は増設を判断する最重要ポイントになるので、事前に調べてから増設の可否を判断しましょう。
太陽光発電は工夫次第でお得に増設することができます。以前と比べると太陽光発電設備の相場も下落しているので現在は比較的導入しやすいタイミングであると言えます。本記事を参考にして、損をしないかしっかりシミュレーションしてから、増設工事を検討してください。
※「マイナビニュース太陽光発電」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
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